1.某食品スーパー
改修工事前
店内冷ケースから発生している冷気(売り場内空気)が天井ボードを伝熱し天井内へ入っています。一方、外気からの暖気は折板屋根・断熱材GWを伝熱しています。
一般的に断熱材は熱伝導を緩和させることはできるが遮熱することはできないため、伝熱してしまいます。
その結果、天井ボード裏面で冷気と暖気の接点となり結露が生じていました。発生した結露水は天井ボードに徐々に浸透していき、天井ボードが保湿している状態となったためにカビ菌の温床となり、最終的に売場天井面にカビが現れたものと考えられます。
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改修工事後
店内冷ケースから発生している冷気(売場内空気)は天井ボードを伝熱し天井内へ入りますが、天井内に施工された遮熱材によりその表面部分で冷気が反射します。
一方、外気からの暖気も同様に折板屋根を伝熱し天井内へと入りますが、遮熱材の表面部分で反射します。
つまり、遮熱材を境に売場と天井内の温度分泌がはっきりと隔てられたことにより、冷気と暖気の接点が無く、結露が発生しにくい環境となりました。
現に、遮熱材施工後約一年経過した真夏の猛暑日でも結露は見られず、天井ボードも乾燥していたことから、遮熱材の遮熱効果が大きく得られたものと考えられます。
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天井吹抜開口部 遮熱施工例
食品スーパー等、冷凍食品を扱う店舗においては食品冷ケースの冷気によって一般的に温度が低くなりがちです。外気温湿度が高くなる下記においては、天井内が40℃以上になることもしばしばあり、店舗内が食品冷ケースの冷気により冷やされている場合はこの温度差により天井ボードが結露を起こし、この結露により天井ボードが保湿し、カビが発生します。
店舗内が吹抜構造になているような箇所では外気の影響を受けやすく結露が発生しやすい状況といえますが、遮熱材を施工すれば店舗内の冷気と天井内の暖気が完全に遮熱され結露が極力起きにくい衛生的な店舗環境を作り出すことができます。
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低温庫廻り 遮熱施工例
食品スーパーのバックヤードでは生ゴミ庫や冷凍・冷蔵庫等の低温室があり、隣接する通路や倉庫などの内装壁が低温室との温度差により結露しカビが発生していることがたびたび見受けられますが、このような状況に対しても遮熱材の施工がとても有効です。
低温室の冷気を完全に遮熱することで結露を防ぐだけでなく、冷却効果も上がり冷凍機の省エネにもつながります。
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